地域活性化人材育成事業 SPARC

事業概要

  1. ホーム
  2. 事業概要

ご挨拶

谷澤 幸生(事業責任大学:山口大学長)

データサイエンス教育を活用人間の心理・行動の理解等を基礎とするDX人材を育成

山口大学は9学部8研究科からなる地域の基幹総合大学です。常に改革・改善に取り組み、DX推進の基盤となるデータサイエンス教育をいち早く全学に取り入れています。

SPARC事業で連携開設科目となる「データサイエンス」は、AIやIoTなどデジタル技術で集積されたデータから、有益な知見を得ようという学問分野です。これまでの勘や経験などに基づく方法ではなく、数学や統計学、プログラミングなどの理論を用いてデータの分析や解析を行い、科学や社会、ビジネスなどに役立つ価値を引き出します。

活用シーンは、製造や販売の現場、医療・健康、農業、漁業、公共、教育、防災など多岐にわたり、今後ますます広がります。データを見るときには、理系の理論だけでなく社会と人間の行動メカニズムや多様性への理解も重要です。山口大学では「ひと・まち共創学環(仮称)」を新設(2025年4月予定)し、人間の心理・行動の理解と地域社会に対する分析力を基礎として、地域課題の発見と解決ができるDX人材を育てます。

DX推進が喫緊の課題となる中で、特に即戦力人材の社内育成が難しい中小企業からは、リカレント教育や、社会の変化に対応して新たに必要とされるスキルを習得するリスキリング教育の役割も期待されており、このようなニーズも大事にして対応します。

田中 マキ子(参加大学:山口県立大学)

PBL型の「地域学」文理融合の「総合知」で豊かな未来

山口県立大学は、地域の要請に応える「地域貢献型大学」として、健康や福祉・文化の分野で専門教育を行い、優れた地域人材を輩出しています。SPARC事業では、こうした得意分野を生かし、PBL=課題解決型学習の手法を取り入れた「地域学」を連携開設科目として提供します。

PBLは、知識の暗記など受動的な学習ではなく、自らが問題を見つけて解決する能力を養います。キャンパスを出て地域(人や企業など)と関わり、その中で解決すべき課題を発掘して、解決策を探求します。本学の国際文化や社会福祉、看護栄養、さらに連携大学の多くの学生が、ともに地域を学ぶことで、豊かな未来を描き人々が豊かに暮らせる地域社会づくりを目指します。 DXは理系の領域と思われがちですが、活用するためには理系や文系の枠を超えた「総合知」が必要です。文系の人もデータを読み解き、また理系の人は文系に触れることで視野を広げ、ともに新しい価値が創造できます。理工系に進む女子が少ない中で、女性のDX人材育成にも力を入れます。

山口は少子高齢化の全国上位県です。その抱える課題は日本、そして世界の課題でもあります。SPARCで学んだ若い文系DX人材が、地域や職場のDXリテラシー(活用能力)を高めて課題を解決し、各地域が特有の地域資源を生かして自立していける分散型社会の構築に貢献することを期待します。

三池 秀敏(参加大学:山口学芸大学学長)

STEAM教育とPBLにより将来のDX人材を育てる教員を養成

 山口学芸大学は、芸術を基盤とする教育を通して、教育者・保育者を輩出する教員養成大学です。運営する宇部学園は2021年、10年後を見通した「学園ビジョン2030」を策定し、Society5.0(超スマート社会)の時代に求められる人材の育成に努めています。

 SPARC事業では、「文理横断型のSTEAM教育」と「DXによる地域課題解決PBL」を展開し、将来のデジタル変革を支える子どもたちを育て、地域の課題発見や解決に貢献できるより質の高い教員を養成します。

 STEAMは、理系領域の科学・技術・工学・数学の英語の頭文字=STEMに、Ar(t アート)のAを加えたものです。Artについて政府は、「デザインする力を軸にした、芸術・文化・生活・経済・法律・政治・倫理等を含めた広い範囲」と定義しています。デザインは近年、課題に対する最適の解決策を導くデザイン思考が注目されるなど、その力を軸にした学びはDX推進、新しい社会を創造する上で大事です。

 教育現場では、小学校のプログラミング授業、中学高校で情報の学習など教育改革が進んでいます。一方、IT系の人材は2030年に最大79万人が不足するという推測もあります。こうした中で、SPARCで育った教員が地域コミュニティーとつながり、教育・保育・子育て等に関わることは、地域社会の発展にさらに大きく寄与すると確信します。